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減価償却完全ガイド:計算方法、事例、節税対策まで徹底網羅

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本記事は2025/05/27に更新しております。
減価償却完全ガイド:計算方法、事例、節税対策まで徹底網羅

事業を運営する場合、事務所や工場の建物、設備や機械など、多くの固定資産を持つケースがあります。固定資産は時間の経過とともに劣化して価値が減少していくものですから、その取得価額を一定期間にわたって経費計上していく作業が必要です。このときの会計処理が「減価償却」です。減価償却の処理によって正しい帳簿を作成できるほか、一定の場合には節税効果も期待できます。
本記事では、減価償却の概要から具体的な計算方法、節税対策への活用まで詳しく解説します。

01

減価償却とは?基礎知識と仕組みをわかりやすく解説

減価償却は、事業で使う固定資産の取得価額について、経年劣化による価値の減少を考慮して一定期間にわたって分割して費用計上する手続きです。適切な会計処理を行うためにも、まずは減価償却の対象となる資産や計算方法など、基本を押さえていきましょう。

減価償却の定義と目的

減価償却とは、事業用の固定資産の取得費用を一定のルールに基づいて各年度の経費として計上し、資産状況を適切に管理するための手続きです。

建物や設備、機械などの固定資産は、数年から数十年と比較的長い時間をかけて価値が目減りしていきます。事業用のこうした資産を「減価償却資産」といって、取得費用については購入時に全額を経費計上するのではなく、使用可能な年数に応じて、分割して費用処理を行うべきだとされています。

減価償却によって、資産価値や資産にかかる費用をより実態に即した形で管理できます。

減価償却の対象となる資産

減価償却の対象は、事業を運営するために使用される建物、設備、機械、器具・備品、車両などの固定資産です。具体的には、事務所の建物や電気・ガス・水道設備、机やイス、PC、プリンター、営業車などが該当します。また、特許権、商標権、ソフトウエアなどの無形固定資産も含まれます。

一方で、土地のように時間が経っても価値が減少しない資産は減価償却の対象外です。

減価償却の計算方法

減価償却費の算出方法は下記の2種類に大別されます。

・定額法:減価償却を行う期間中、毎年一定の額を経費として計上する
・定率法:減価償却を行う期間中、毎年一定の割合で費用計上する。減価償却費は年を追うごとに逓減する

定額法 / 定率法のどちらの方法を用いるかについては、税務署への届出が必要です。届出をしない場合は、各資産について法律で決められた計算方法で減価償却費を算出することになります。

尚、使用可能期間が1年未満または取得価額が10万円未満の資産は、複数年にわたる減価償却を必要としません。取得価額の全額について、その資産を事業に使いはじめた年の経費に計上できる点は覚えておくとよいでしょう。

また、取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、取得価額の1/3ずつを3年間にわたって経費計上できます。

減価償却資産の耐用年数

減価償却資産は、種類によってそれぞれ耐用年数が法律で定められています。例えば、建物の耐用年数は11~50年と減価償却資産のなかでも長く設定されており、器具・備品、車両は10年以下のものが多くみられます。

有形固定資産の耐用年数は、国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」、無形固定資産は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で調べるとよいでしょう。

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02

減価償却の計算方法を徹底解説!

減価償却は、減価償却資産を実際に使いはじめた日から行います。つまり、期首に取得した資産を期中に使いはじめた場合は、事業供用日を基準に月割りで減価償却費を算出します。
このルールを覚えて、減価償却費の具体的な計算方法を理解していきましょう。

定額法の計算方法と事例

定額法による減価償却費の求め方は下式のとおりです。

各年の減価償却費=取得価額×定額法の償却率

例として、年度始めが4月の企業が4月1日に40万円(耐用年数5年)の備品を購入してすぐに使用開始した場合、その年の減価償却費は次のように計算されます。

40万円×0.2(償却率)=8万円

償却率は国税庁が公表している「減価償却資産の償却率等表」で調べられます。

定率法の計算方法と事例

次に、定率法による減価償却費の求め方をみてみましょう。

各年の減価償却費=期首の未償却残高×定率法の償却率

上記の金額が償却保証額未満になった場合

各年の償却額=改定取得価額(期首の未償却残高)×改定償却率

尚、償却保証額の求め方は以下のとおりで、保証率は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」に記載されています。

償却保証額=取得価額×保証率

では、年度始めが4月の企業が4月1日に250万円(耐用年数5年)の機械を購入してすぐに事業で使いはじめた場合で、実際に計算していきましょう。

最初に償却保証額を求めておきます。耐用年数5年の資産の保証率は0.108ですから、この例では、償却保証額は27万円となります。
ここから各年の減価償却費を計算していきます。償却率・改定償却率は先ほどの「減価償却資産の償却率等表」で確認しておきましょう。

・1年目:250万円×0.4(償却率)=100万円
・2年目:(250万円-100万円)×0.4=60万円
・3年目:(250万円-100万円-60万円)×0.4=36万円
・4年目:(250万円-100万円-60万円-36万円)×0.4=21万6,000円<27万円
従って、
(250万円-100万円-60万円-36万円)×0.5(改定償却率)=27万円
・5年目:26万9,999円(備忘価格として1円を残すため)

定率法の計算はやや複雑ですが、会計ソフトを利用していれば減価償却費を自動で算出してくれるため便利です。

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03

減価償却を活用した節税対策

実は、減価償却を上手に活用すると節税効果を得られます。本章では、減価償却による主な節税対策を3つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

中小企業向けの減価償却制度

中小企業が30万円未満の減価償却資産(少額減価償却資産)を取得したときには、取得年度に一括で経費として計上できる特例があります。但し、同年度内に対象資産を複数購入した場合、そのうち合計300万円に収まる減価償却資産について特例を適用できます。

特例の適用には、従業員数500名以下、青色申告を行っているなどの条件がありますので、国税庁の以下のWebサイトで確認しておきましょう。

減価償却のタイミングによる節税効果

減価償却資産は、年度始めに購入・使用開始すると節税効果が高まります。取得初年度の減価償却は月割りになるため、期中や期末に使用開始すると数ヵ月分しか減価償却できません。

一方、年度始めに購入・使用開始すれば、11ヵ月~12ヵ月の減価償却費を計上でき、利益の圧縮効果が大きくなります。

買い替えによる節税効果

現在進行形で使用中の資産のなかに減価償却が完了しているものがあるなら、買い替えによって節税効果を得られます。 減価償却が済んでいる資産は、当然ながら減価償却費をこれ以上計上できません。そこで買い替えを行えば、新しく購入した資産の減価償却費が生じ、節税につながります。

加えて、中古の資産を購入すると新品よりも早期に経費計上でき、さらに効果的です。中古資産はすでにいくらか使用されている分、新品の資産よりも耐用年数が短くなっています。つまり、減価償却する期間も短くなり、各年においてより多くの減価償却費を計上できます。

但し、資産の購入は現預金の支出を意味しますので、無理な買い替えは禁物です。黒字になりそうな事業年度に検討するとよいでしょう。

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04

減価償却に関するQ&A

質問:なぜ、減価償却を行うのですか?

回答

時間の経過とともに価値が目減りする固定資産の取得価額については、使用可能期間で分割して経費に算入すべきとされているためです。

質問:どのような資産が減価償却の対象となりますか?

回答

事業用の建物・設備・機械・器具備品・車両などの有形固定資産、特許権、商標権、ソフトウエアなどの無形固定資産が対象です。

質問:減価償却について相談できる窓口はありますか?

回答

税務に関する事柄のため、税理士や税務署に相談しましょう。

質問:減価償却費はいつ計上すればよいですか?

回答

事業供用日を基準に計上を始めます。期中に使用を始めた場合、初年度の減価償却費は月割りで計上します。

質問:減価償却に関する税務調査で注意すべき点はありますか?

回答

取得価額と事業供用日の2点です。
減価償却資産の取得価額は配送料や設置費用など付随費用も含めて算定します。
また、減価償却資産を事務所や工場に「設置」しただけでは事業での使用開始とは認められません。試運転等を終え、実際に事業用に稼働できるようになった日が事業供用日となります。

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05

まとめ

  • 減価償却とは経年により価値が目減りしていく有形・無形の固定資産について、取得価額を使用可能期間で分割して計上する手続き
  • 減価償却費の算出方法には定額法や定率法など複数の種類がある
  • 税務調査の面で気をつけたいポイントは取得価額と事業供用日

減価償却は、事業用の有形固定資産・無形固定資産の取得価額を一定の年数にわたって経費計上し、帳簿上の資産価値を減らしていく手続きです。
減価償却資産の導入タイミングの工夫や買い替えは、節税にもつながりますが、支出も伴うため、無理のない範囲で行うようにしましょう。

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06

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データ保存サービス(電子帳簿保存法対応)[ 自社による保存機能 ]
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この記事を書いた人

紗冬えいみ
金融ライター・Webマーケター。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP保有。証券会社、公認会計士・税理士事務所での実務経験を持ち、個人の資産形成や、法人・個人の記帳代行、決算書や申告書の作成補助に携わる。ライター転身後は知識と経験を活かして投資・資産形成や経理の基礎に関する記事を多く執筆。紙媒体も含めて年間200記事以上を手がける。
監修 梶本卓哉(公認会計士、税理士)
監修
梶本卓哉(公認会計士、税理士)

早稲田大学卒業後、関東信越国税局採用。税務大学校を首席卒業(金時計)し、税務署法人課税部門にて法人税、消費税等の税務調査に従事。複雑困難事案の事績により署長顕彰。大手監査法人に転職後、製造業や不動産業をはじめ様々な業種の上場会社監査やIPO監査に従事。その後、中央官庁勤務を経て大手証券会社の引受審査部・公開引受部にてIPO業務に従事。現在は主に法人の税務顧問を務めており、スタートアップ支援に強みを有する。

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