損益計算書(P/L)の見方超入門:初心者でも30分で理解できる!|経理業務お役立ち情報
お問い合わせ 資料請求

損益計算書(P/L)の見方超入門:初心者でも30分で理解できる!

  1. ホーム
  2. 経理業務お役立ち情報
  3. 経理業務
  4. 損益計算書(P/L)の見方超入門:初心者でも30分で理解できる!
本記事は2025/05/27に更新しております。
損益計算書(P/L)の見方超入門:初心者でも30分で理解できる!

損益計算書は、企業の経営成績を示す重要な書類のひとつです。損益計算書を読めると会社の収益性や成長性を客観的に分析できます。しかし、損益計算書には「利益」だけでも5種類が記載されており、初めて目にする方は、とても難しいと感じるかもしれません。
そこで本記事では、損益計算書の内容と見方を初心者向けに詳しく解説します。尚、分かりやすく記述するため、厳密な表現となっていない箇所があります。

01

損益計算書(P/L)とは?

損益計算書は、貸借対照表やキャッシュフロー計算書と並ぶ財務三表のひとつです。まずは、その役割と構成要素を簡単に整理しておきましょう。

損益計算書の役割

損益計算書は、企業が一定期間で得た利益の額を示す書類です。基本的には1事業年度ごとに作成し、すべての収益・費用からその年の経営成績を明らかにします。
尚、損益計算書に対して貸借対照表は、企業の資産・負債・純資産の状況を示す書類です。

損益計算書の構成要素

損益計算書は、「収益」「費用」「利益」の3要素から成り立っています。

・収益:会社が稼いだお金
・費用:収益を得るために払ったお金
・利益:収益から費用を引いた金額。実際に会社に残るお金

この3つを押さえて、損益計算書の内容をみていきましょう。

月900円~!
バックオフィスの作業を!
これ一つで簡単に!

導入に関するお問い合わせ

02

損益計算書の基本的な見方

損益計算書には、見慣れない言葉が多く並んでいますが、その構造は、収益・費用・利益の繰り返しです。利益には5種類ありますので、それぞれ内容を理解していきましょう。

損益計算書の各項目

売上高
売上原価
売上総利益
販売費及び一般管理費
営業利益
営業外収益
営業外費用
経常利益
特別利益
特別損失
税引前当期純利益
法人税等
当期純利益

売上高

商品やサービスを提供した対価として得た収入が売上高で、事業の規模や成長を示す基本的な指標です。例えば、10,000円の商品を1年間で500個販売したときの売上高は500万円となります。
尚、売上高には株の配当や不動産の売却などの収益は含まれません。

売上原価

売上原価は、売上高を生み出すために直接かかった費用を指します。小売業などでは商品の仕入高、製造業では原材料費や製造コストなどの製造原価が該当します。

売上総利益

損益計算書で最初に出てくる利益が、売上総利益です。下記の式のように、売上高から売上原価を引いて求めます。

売上総利益=売上高-売上原価

売上総利益は「粗利」ともいって、企業の基本的な収益力を判断できます。売上総利益が小さいまたは赤字の状態が続くようなら、事業の継続は困難になるでしょう。

販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、まとめて販管費とも呼ばれています。商品・サービスを販売するための営業活動や事業運営に必要な費用のうち、売上原価には含まれないものです。具体的には、広告費や人件費、家賃、水道光熱費、消耗品費、通信費、交際費、租税公課など様々な費用が該当します。

営業利益

次に、2つ目の利益である営業利益を求めます。

営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費

上の式のとおり、営業利益は売上総利益から販売費及び一般管理費を引いたものです。自社ビジネスの稼ぐ力を表し、5種類の利益のなかでもとくに重視されます。

営業外収益

会社を運営していると、営業活動以外でも収益が発生します。具体的には預貯金や債券の利息、株の配当金などです。このように営業活動以外で定期的に発生する利益を営業外収益といいます。

営業外費用

営業外収益と同じ考え方で、営業活動以外で定期的に発生する費用が営業外費用です。代表的なものには銀行からの借入金に対する支払利息があります。また創立費・開業費の償却費も営業外費用に含みます。

経常利益

営業利益に続く3番目の利益が経常利益です。

経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用

ご覧のとおり、経常利益は営業活動で発生する収益・費用だけでなく、企業を経営するなかで通常発生する収益・費用を加味した利益です。
つまり、営業利益が会社のビジネスの成績を示すのに対し、経常利益は財務活動の結果まで考慮した成績を示すものといえます。

特別利益

特別利益は、企業の営業活動以外で臨時的に発生した利益を指します。例えば、固定資産の売却益や有価証券の売却益などが該当します。
営業外収益との違いは収益発生の継続性です。営業外収益は企業を運営していれば定期的に入ってくる営業外の収益ですが、特別利益は突発的に発生する一過性の利益です。

特別損失

特別利益と同様の考え方で分類する費用・損失を特別損失といいます。例として固定資産の売却損や有価証券の売却損、また災害や盗難によって被った損失などが挙げられます。
特別損失は営業活動以外で臨時に発生した出費です。通常の企業活動では発生しない点が営業外費用とは異なります。

税引前当期純利益

次に、4種類目の利益である税引前当期純利益が算出されます。

税引前当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失

税引前当期純利益は、通常は発生しない特別損益まで考慮した総合的な利益です。特別利益・特別損失は毎年度必ず発生するとは限りませんので、どちらも発生しなかった年については、経常利益と税引前当期純利益が一致します。

法人税等

法人が事業活動であげた利益は、国税である法人税の対象です。そのほか地方税として法人住民税・法人事業税も法人に関する税金にあたります。この3つを総称して「法人税等」と呼んでいます。

当期純利益

当期純利益は、損益計算書の最後の項目かつ5番目の利益です。

当期純利益=税引前当期純利益-法人税等

売上高から、売上原価、営業活動上の損益、営業活動外の定期的な損益と突発的な損益、法人税等をすべて足し引きして残る、企業の最終的な利益です。単純に「純利益」や「当期利益」また「最終利益」と呼ばれることもあります。
株式会社の場合、当期純利益が配当金の源泉となります。

月900円~!
バックオフィスの作業を!
これ一つで簡単に!

導入に関するお問い合わせ

03

損益計算書からわかること

損益計算書からは、その会社の収益性、安全性、成長性などがわかり、分析の際には様々な指標を使うと便利です。それぞれ分析するポイントと有用な指標を紹介します。

収益性

企業の稼ぐ力を計るには、売上総利益率と売上高営業利益率を使うとよいでしょう。 それぞれ売上高に対して、売上総利益または営業利益の割合を示す指標です。

・売上総利益率(%)=(売上総利益÷売上高)×100
・売上高営業利益率(%)=(営業利益÷売上高)×100
いずれも数値が高いほどビジネスで稼ぐ力が高いと判断できます。過去の数値や同業他社と比較すると、今後の戦略を立てる際の参考になります。

安全性

損益分岐点売上高を使うと、企業の安全性を計れます。

・損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)

損益分岐点売上高は、利益が±0のときの売上高です。固定費は人件費や家賃など売上に関わらず一定額が発生する費用、変動費は売上に連動して発生する原材料費や仕入高が該当します。また、変動費率は売上高に占める変動費の割合で、変動費÷売上高で求めます。

実際の売上高が損益分岐点売上高をどの程度上回っているか、大きく上回っているようであれば、赤字に転落するリスクが小さいと考えられます。

成長性

自社の成長具合を分析したい場合は、売上高成長率、営業利益成長率が有用です。

・売上高成長率(%)=(当期売上高-前期売上高)÷前期売上高×100
・営業利益成長率(%)=(当期営業利益-前期営業利益)÷前期営業利益×100
どちらも前期の値からの成長度合いを示すもので、数値が高いほど事業の規模や収益力が大きくなっていると判断できます。

月900円~!
バックオフィスの作業を!
これ一つで簡単に!

導入に関するお問い合わせ

04

損益計算書の作成方法

ここからは、損益計算書の作成について、大まかな流れを押さえていきましょう。

損益計算書の作成手順

日々の仕訳作業をすべて終えた後、大きく下記の3ステップで損益計算書を作成します。

1.決算整理仕訳を行う

棚卸資産の振替や減価償却費の計上など、決算日時点の帳簿の数字を実際の数字に調整する仕訳を行い、総勘定元帳に転記します。

2.試算表を作成する

総勘定元帳に書かれた借方・貸方の合計額と残高を表にまとめ、最終的に借方と貸方の数字が合っているか確認します。

3.損益計算書を作成する

試算表で記帳の整合性がとれたら、試算表の内容を損益計算書に転記していきます。

損益計算書の作成例

損益計算書は、下表のように必要な値を書き込んで作成していきます。本来は収益や費用の内訳まで記載しますが、ここでは便宜上省略しています。

売上高50,000,000円
売上原価20,000,000円
売上総利益30,000,000円
販売費及び一般管理費10,000,000円
営業利益20,000,000円
営業外収益3,000,000円
営業外費用2,000,000円
経常利益21,000,000円
特別利益1,500,000円
特別損失500,000円
税引前当期純利益22,000,000円
法人税等6,500,000円
当期純利益15,500,000円

月900円~!
バックオフィスの作業を!
これ一つで簡単に!

導入に関するお問い合わせ

05

損益計算書に関するQ&A

質問:損益計算書と貸借対照表の違いは何ですか?

回答

損益計算書は、企業の利益や損失など経営成績を示す書類です。一方、貸借対照表は資産・負債・純資産など財政状態を確認できる書類です。

質問:損益計算書はいつ作成する必要がありますか?

回答

税務上は、法人税の確定申告期限が決算日の翌日から2カ月以内のため、決算日から2カ月以内に作成します。

質問:営業外収益と特別利益の違いは何ですか?

回答

営業外収益は、定期的に発生するのに対し、特別収益は突発的で継続性がありません。

質問:純利益というのはどの部分を指しますか?

回答

純利益は、当期純利益のことです。損益計算書では最下行に記載されます。

質問:粗利というのはどの部分を指しますか?

回答

粗利は、売上総利益を指し、売上高から売上原価を引いたものです。

月900円~!
バックオフィスの作業を!
これ一つで簡単に!

導入に関するお問い合わせ

06

まとめ

最後に、本記事の要点を振り返っておきましょう。

  • 損益計算書は企業の成績を示す重要な書類
  • 損益計算書は収益・費用・利益の3要素で構成される
  • 損益計算書の分析により企業の収益性・安全性・成長性を評価できる

特に、中小企業では、損益計算書を含め決算書を読める人材が求められています。今後のステップアップのためにも、会社の経営状況を正しく分析できる力を身につけましょう。

月900円~!
バックオフィスの作業を!
これ一つで簡単に!

導入に関するお問い合わせ

07

ClimberCloudとは

ClimberCloudとは

バックオフィス※業務のデジタル変革(DX)を支援する、
電子帳簿保存法完全対応の
クラウド型
Web請求/電子帳簿保管サービス

ClimberCloud

※バックオフィス業務とは経理や総務、人事、法務、財務などといった直接顧客と対峙することの無い社内向け業務全般を行う職種や業務のこと

ClimberCloudが提供するサービス

ClimberCloudは、3つのサービスでバックオフィス業務のデジタル変革を支援します。

01.Web請求サービス (書類送付)

• 請求書などのClimberCloud上に保存された書類を、取引先へメール送信が可能
• ワークフローや自動連携オプションの利用により自動送付も可能

Web請求サービス(書類送付)
Web請求機能について

02.データ保管サービス(電帳法対応)[ 自社による保存機能 ]

• 会計帳簿、決算関係書類、取引関係書類(自·他社発行)などの電子保存が可能
• 各電子帳簿保存法の要件を充足

データ保存サービス(電子帳簿保存法対応)[ 自社による保存機能 ]
電子データ・電子取引対応保存機能について

03.データ保管サービス(電帳法対応)[ 他社による保存機能 ]

• 受領用URLを発行し、取引先が当該URLに書類を格納
• 相手の利用サービスなどに依存せず書類の一元管理が可能
• URL発行は取引先あたり初回のみのため、運用も簡単

データ保存サービス(電子帳簿保存法対応)[ Web受領サービス(書類受領) ]
電子データ・電子取引対応保存機能について

導入企業様におけるClimberCloudの利用メリット

01
ClimberCloud一つで実現可能!
  • 1.

    インボイス制度&電子帳簿保存法対応した書類の電子保存
  • 2.

    Web請求・Web受領
02
ClimberCloud一つで
各種JIIMA認証取得済
法要件に対応した
電子書類データの一元管理が可能
03
少額から始められる
無駄のない従量課金制
04
API・自動登録
ツールでデータ連携が
スムーズ!
05
トライアル期間あり
無料でお試し!
ClimberCloudで電子保管が可能な帳票
ClimberCloudなら請求書などのあらゆる書類をインボイス制度・改正電子帳簿保存法に両対応した電子データとして保存・一元管理ができるニャ!

ClimberCloudで電子保管が可能な帳票

国税関係帳簿書類は原則紙保存ですが、電子データ保存を認める特例として電子帳簿保存法が存在します。
ClimberCloudは全ての電子帳簿保存法条項に対応した帳簿・書類の電子保管が可能です。

国税関係帳簿
国税関係帳簿
自己が発行した帳簿
・総勘定元帳
・仕訳帳
・その他補助簿
該当条項
4条第1項
作成データを保存(帳簿申請)
JIIMA認証
電子取引ソフト法的要件認証
国税関係書類 - 決算関係書類
国税関係書類-決算関係書類
自己が発行した書類
・貸借対照表
・棚卸表
・損益計算書
・その他決算書類
該当条項
4条第2項
作成データを保存(書類申請)
4条第3項
紙のスキャンデータを保存
(スキャナ保存申請)
JIIMA認証
電子取引ソフト法的要件認証
国税関係書類 - 決算関係書類
国税関係書類-取引関係書類(紙)
自己が発行した書類の写し
・請求書控
・見積書控
・各種契約書
・領収書控
・注文書控
・その他準ずる書類
相手方から受領した書類
・請求書
・見積書
・各種契約書
・領収書
・注文書
・その他準ずる書類
該当条項
4条第2項
作成データを保存(書類申請)
4条第3項
紙のスキャンデータを保存
(スキャナ保存申請)
JIIMA認証
電子取引ソフト法的要件認証 スキャナ保存ソフト
電子取引
電子取引
国税関係書類以外の書類
・Web請求書
・FAX※PDF
・メール添付
・電子契約
該当条項
7条(義務)
授受したデータを保存
JIIMA認証
電子取引ソフト
帳簿・書類を電子保管する場合は、該当条項の様式を満たした保存が必要だニャ!*ClimberCloudは各種JIIMA認証取得済みだから、 フクザツな要件もまるっと対応できるんだニャ!各条項の要件を満たしているという証明が JIIMA認証なんだニャ〜

*電子取引により授受した書類は電子での保存が2022年1月より義務化

月900円~!
バックオフィスの作業を!
これ一つで簡単に!

導入に関するお問い合わせ

この記事を書いた人

紗冬えいみ
金融ライター・Webマーケター。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP保有。証券会社、公認会計士・税理士事務所での実務経験を持ち、個人の資産形成や、法人・個人の記帳代行、決算書や申告書の作成補助に携わる。ライター転身後は知識と経験を活かして投資・資産形成や経理の基礎に関する記事を多く執筆。紙媒体も含めて年間200記事以上を手がける。
監修 梶本卓哉(公認会計士、税理士)
監修
梶本卓哉(公認会計士、税理士)

早稲田大学卒業後、関東信越国税局採用。税務大学校を首席卒業(金時計)し、税務署法人課税部門にて法人税、消費税等の税務調査に従事。複雑困難事案の事績により署長顕彰。大手監査法人に転職後、製造業や不動産業をはじめ様々な業種の上場会社監査やIPO監査に従事。その後、中央官庁勤務を経て大手証券会社の引受審査部・公開引受部にてIPO業務に従事。現在は主に法人の税務顧問を務めており、スタートアップ支援に強みを有する。

それ全部ClimberCloudにお任せ!

ページTOPへ

お問い合わせ 資料請求