予防策をとっていても、売掛金の支払いが遅れてしまうことはあり得ます。
まず、取引先に連絡し、今後の対応を考えていきましょう。
電話・メールでの連絡
期日に売掛金の入金を確認できなかった場合、電話またはメールですぐ取引先に連絡をとります。必ず確認すべき内容は、支払いが遅れている理由と、支払い可能な時期の2点です。
請求書の紛失をはじめ単に失念している場合などは、連絡によって早急に支払ってくれる可能性が高いでしょう。一方、資金繰りの悪化など状況が深刻な場合は、分割払いや支払期限の延長など、今後の対応を検討・相談する必要があります。
速やかな支払いが見込めない場合
取引先と連絡をとった結果、速やかな支払いが見込めないようなら、追加の対応を検討していきます。代表例を3つみていきましょう。
取引をいったん停止する
まず、売掛金を回収できるまでは商品の出荷やサービス提供を止めることが挙げられます。未回収額が膨らんでいけば自社の資金繰りを圧迫する恐れがあるためです。
長く取引を続けているお得意様でも例外ではなく、取引停止の判断が必要なケースもあります。
取引先には事情を丁寧に説明し、理解してもらえるよう努めましょう。
相殺できる買掛金がないか確認する
次に、取引先に対して自社が支払うべき買掛金や未払金、あるいは返金の予定がないか確認してみましょう。もしこうした債務があれば、未回収の売掛金と相殺できます。全額でなく一部であっても未回収額を減らせるとともに、取引先にとっても支払いの負担が軽くなり、早期回収の可能性が高まります。
尚、相殺を行う際は必ず事前に書面で通知しましょう。
売掛金を回収できていない取引の契約書を確認する
最後に、売掛金の一括請求や商品の回収ができるかどうか、該当する取引の契約書や発注書、見積書、請求書など、取引先の捺印がある書類を調べましょう。
書面に「期限の利益喪失条項」の記述があれば、現在未回収の売掛金だけでなく期日未到来の売掛金についても支払いを求められ、さらなる未回収リスクを防げます。
また、「商品の所有権移転時期」が「代金支払い時」に設定されていれば、契約を解除して、納品した商品を回収できます。
金銭での回収にはなりませんが、金銭的価値のある商品の回収によって損失の軽減を図れる方法です。