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会計ソフト選定の比較軸|経理・情シス部門が見るべき10項目【中小企業向け】

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本記事は2026/06/25に更新しております。
会計ソフト選定の比較軸|経理・情シス部門が見るべき10項目【中小企業向け】

毎月の決算業務において、経費精算の差戻しや仕訳処理の負担、データの二重入力に課題を抱える企業は少なくありません。業務改善を目的として承認ルールや運用手順を見直す企業もありますが、部分的な改善だけでは十分な効果を得られないことも多いです。

 

例えば、経費精算、請求処理、仕訳作成が複数のシステムやExcelに分散している環境では、部門間での情報共有が滞りやすくなります。情報共有の遅延は確認作業や手入力の増加を招き、経理業務全体の生産性低下を引き起こすでしょう。また、月次決算の長期化や担当者の負荷も増大してしまいます。経理業務の効率化を実現するためには、申請から承認、会計処理までの業務プロセス全体を見据えた会計ソフト選定が欠かせません。

 

本記事では、経理部門と情シス部門が連携して会計ソフトを選定する際に確認すべき「10の比較軸」を解説します。あわせて、選定プロジェクトの進め方や評価方法、周辺システムとの連携を考慮したシステム構成の考え方もご紹介します。

01

まずは結論!製品名より先に「10の比較軸」と役割分担を決める

会計ソフトの選定において、有名な製品の機能比較表を眺めるだけの方法では、導入後に期待通りの効果を得られず失敗する恐れがあります。

 

失敗を防ぐためのポイントは、次の3点です。

 

  1. 知名度や機能比較だけで判断せず、経理と情シス部門が共通言語で評価できる「比較軸10項目」で要件を先に定義すること。
  2. 会計ソフトはあくまで、仕訳・決算・申告の核を担うシステムであり、請求・経費・販売・在庫といった周辺業務は、別システムまたはデータ連携でつなぐ設計を前提とすること。
  3. 選定の成否は機能の有無だけではなく、「API連携」「マスタ設計」「権限管理」「TCO(総所有コスト)」「税理士連携」の5領域をどれだけ緻密に設計できるかで決まること。
  •  

経理部門と情シス部門が会計ソフトを選定する際に確認すべき比較軸をまとめると、以下の通りです。

 

  1. 業務カバー範囲(仕訳・月次決算・年次決算・申告書類)
  2. 法令・制度対応(電子帳簿保存法・インボイス制度・電子申告)
  3. 操作性・学習コスト・現場定着
  4. 導入形態(クラウド型・オンプレ型・ハイブリッド)
  5. 金融機関・カード・決済データの自動連携
  6. 周辺業務との連携(請求・経費精算・売上・給与・在庫)
  7. API・データ連携設計(マスタ・トランザクション・エラーハンドリング)
  8. 権限・監査ログ・セキュリティ
  9. 料金・TCO(初期費用・ユーザー数・オプション・サポート)
  10. 税理士連携・ベンダーサポート・障害時対応
  •  

この記事を最後まで読み進めることで、自社に最適な会計ソフトを客観的に評価するための「会計ソフト比較シート」を作成できるようになるでしょう。

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02

会計ソフト選定で起きやすい失敗パターン

会計ソフト選定に関する解説では、価格や知名度だけで判断するリスクがよく指摘されます。しかし、中小企業における選定プロジェクトでは、業務要件とシステム要件の整理不足による失敗が、より大きな課題になります。

 

例えば、経理部門が重視する「仕訳の入力しやすさ」といったユーザー視点と、情シス部門が重視する「APIの仕様」「シングルサインオン(SSO)の可否」「操作ログの取得範囲」などのIT視点がかみ合わず、要件が整理されないまま製品選定が進んでしまうケースです。

 

また、利便性を期待してクラウド会計ソフトを導入したものの、販売管理や経費精算、請求処理といった周辺業務がExcelによる管理のまま残り、結果として会計ソフトへの二重入力の手間が増えてしまうケースも頻繁に発生します。

 

こうした問題は周辺システムとの連携設計を事前に確認していなかったことが原因であり、後述する「比較軸⑥」「比較軸⑦」の検討不足によって生じる典型例といえるでしょう。

 

さらに、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応を会計ソフトの機能だけに依存してしまい、実際に領収書や請求書を受領・保存する現場の運用ルールが、未整備のまま放置されるケースもあります。法制度への適応をシステム単体の問題として捉えてしまう失敗は、「比較軸②」の評価を誤った結果といえます。

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03

選定プロジェクトの進め方(経理・情シス部門・管理職の役割分担)

中小企業において、会計ソフトの導入を確実に成功させるためには、明確な選定フローに沿ってプロジェクトを推進しなければなりません。推奨される進め方は、次の5つのステップです。

 

  • ステップ1:現状の業務フローとデータの流れを棚卸しする
  • ステップ2:システムに求める要件を必須要件と希望要件に分離する
  • ステップ3:定義した比較軸に基づいて候補となる製品を絞り込む
  • ステップ4:無料トライアルやPoC(概念実証)を実施し、実際の挙動を検証する
  • ステップ5:稟議申請を行い、契約手続きを進める
  •  

5つのステップを着実に遂行するには、経理担当者、情シス部門担当者、および管理職がそれぞれの専門性を活かして役割を分担することが不可欠です。各担当者の具体的な役割分担は、以下の通りです。

 

役割 主な担当領域・確認項目
経理担当者・経理管理職 実務における業務要件の定義、必要な仕訳パターンの網羅性の確認、月次・年次決算スケジュールの適合性、顧問税理士とのデータ連携方法の確立
情シス部門担当者 システムの認証方式(SSO等)の確認、外部システムと接続するAPIの仕様検証、既存SaaSとの連携可否、バックアップ体制の評価、障害発生時の対応手順の確認
管理職(意思決定者) 投資対効果(ROI)の算出、プロジェクト全体の予算管理、全社へのシステム展開スケジュールの管理・調整

 

また、社内の属人化を防止し、導入後の運用責任を明確にするためには、経理部門・情シス部門・管理職で構成する部門横断型の選定委員会を組織することも有効です。

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04

経理・情シス部門が見るべき比較軸10項目

ここからは、会計ソフトの選定において軸となる10個の項目について詳しく解説します。各項目について、「経理部門の視点」「情シス部門の視点」「ベンダーへの問い合わせ時に活用できる質問例」の3つの観点で整理します。

比較軸① 業務カバー範囲(仕訳・月次決算・年次決算・申告書類)

自社の決算業務および申告業務が、対象となるシステムでどこまでカバーできるかを確認しましょう。複式簿記の原則に基づく入力、勘定科目の柔軟な設定、部門別の集計、複雑な消費税処理、固定資産管理、およびキャッシュフロー計算書の作成機能までが含まれているか、などが評価ポイントとなります。

 

  • 経理のチェックポイント:
  • 現在行っている決算実務の何割が、追加の加工なしに会計ソフト内部で完結するかを確認します。
  •  
  • 情シス部門のチェックポイント:
  • 独自のカスタム仕訳の定義や、外部の業務システムから出力されたデータを一括で取り込む際の拡張性を評価します。
  •  
  • 確認すべき質問例:
  • 「当社の部門階層(例:3階層、50部門)を設定し、部門ごとの損益計算書を出力することは可能ですか」「固定資産の減価償却計算は自動で行われますか」

比較軸② 法令・制度対応(電子帳簿保存法・インボイス制度・電子申告)

現在のバックオフィス実務において必須となる、各種法制度への適合性を評価します。

  • 経理のチェックポイント:会計ソフト単体の機能だけでなく、取引先から受領した請求書の保存や、適格請求書発行事業者の登録番号(インボイス番号)の有効性を、国税庁の公表情報と照合してシステム内でどのように確認できるかを切り分けます。
  •  
  • 情シス部門のチェックポイント:
  • 法令対応の基準として、JIIMA(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会)による第三者認証を取得しているかどうかを確認項目に含めます。なお、国税関係書類の電子保存において、ClimberCloud(クライマークラウド)のような電子帳簿保存ストレージサービスを活用し、会計ソフトの外側で法令対応の役割を担わせる選択肢もあります。会計ソフト内部で完結させるか、外部の専門システムを併用するかを慎重に判断します。
  •  
  • 確認すべき質問例:
  • 「インボイス制度における登録番号(適格請求書発行事業者の登録番号)の有効性を、国税庁データと自動照合する機能は備わっていますか」「電子帳簿保存法に対応した検索要件を担保するための運用手順を教えてください」

比較軸③ 操作性・学習コスト・現場定着

システムの画面デザインや操作性が、ユーザーのスキルレベルに適合しているかを比較します。

 

  • 経理のチェックポイント:
  • 簿記の知識が乏しい現場の従業員でも直感的に使えるUI(ユーザーインターフェース)であるか、あるいは熟練した経理経験者がキーボードだけで高速に入力できる効率的な操作性を備えているかを確認します。テンプレート仕訳や自動仕訳ルールの充実度も重要な評価軸となります。
  •  
  • 情シス部門のチェックポイント:
  • 新しいシステムの導入にあたり、経理担当者の習熟にどの程度の期間を要するか、繁忙期である決算期や申告期にシステムのレスポンスが低下しないかを評価します。提供されるマニュアルやヘルプページの質も確認します。
  •  
  • 確認すべき質問例:
  • 「過去の仕訳履歴から、勘定科目や補助科目を自動で推測して提案する機能はありますか」「仕訳入力画面のショートカットキー一覧を提供いただけますか」

比較軸④ 導入形態(クラウド型・オンプレミス型・ハイブリッド)

自社の働き方やインフラ戦略に合わせて、最適な導入形態を選択します。

 

  • 経理のチェックポイント:
  • テレワークの実施可否、複数拠点からの同時アクセスのしやすさ、法改正に伴う自動アップデートの有無、初期費用の抑制といった観点から、基本的にはクラウド型を前提に検討を進めることが推奨されます。
  •  
  • 情シス部門のチェックポイント:
  • 自社の業種における規制、既存のオンプレミス資産との互換性、オフライン環境での業務継続要件の有無を判断基準とします。クラウド型を採用する場合は、データセンターの物理的な所在地、SLA(サービス品質保証)、およびシステムのメンテナンス時間が自社の稼働時間と重複しないかを確認項目に含めます。
  •  
  • 確認すべき質問例:
  • 「貴社クラウドサービスのご案内にある稼働率実績(SLA)はどのくらいですか」「定期メンテナンスに伴うシステム停止の頻度と時間帯について教えてください」

比較軸⑤ 金融機関・カード・決済データの自動連携

銀行口座やクレジットカードとのデータ連携は、経理業務の工数削減効果が最も明確に体感できる領域です。

 

  • 経理のチェックポイント:
  • 連携対象の金融機関が、自社で利用しているすべての口座やクレジットカードを網羅しているかを最初に確認します。
  • 情シス部門のチェックポイント:銀行APIを用いた安全な接続が確保されているか、データの更新頻度はどの程度か、取り込んだ明細を仕訳に変換する際のマッピング精度の高さを比較します。
  •  
  • 確認すべき質問例:
  • 「当社がメインバンク(主要取引銀行)として利用している金融機関において、API連携による明細の自動取得は毎日行われますか」

比較軸⑥ 周辺業務との連携(請求・経費精算・売上・給与・在庫)

会計ソフトが社内のデータ循環のハブとして機能するかどうかを見極めるための軸です。

  • 経理のチェックポイント:請求書の発行、経費精算、販売管理、給与計算といった周辺の業務システムについて、会計ソフトと同一ベンダーが提供するシリーズ製品で統一するか、あるいは別の専門SaaSを組み合わせて利用するかを整理します。
  •  
  • 情シス部門のチェックポイント:
  • システム間のデータ連携が、リアルタイムなAPI連携なのか、手動でのCSVエクスポート・インポートなのか、あるいはRPA(ロボットによる業務自動化)を介するものなのかを明確にします。例えば、売上データが独立した販売管理システムのみに存在し、会計システムへ手作業で転記を行うような二重入力が発生するかどうかを見極めます。
  •  
  • 確認すべき質問例:
  • 「外部の販売管理システムから出力される売上データを、CSVファイルを用いて一括で仕訳データとしてインポートするためのフォーマット仕様書をいただけますか」

比較軸⑦ API・データ連携設計(マスタ・トランザクション・エラーハンドリング)

情シス部門の担当者が、技術的な観点から最も厳密にチェックすべき項目です。

  • 経理のチェックポイント:データの連携処理が失敗した際に、どの取引でエラーが発生したのかを画面上で容易に特定できるかどうかを確認します。
  •  
  • 情シス部門のチェックポイント:
  • 提供されているAPIがREST規格に準拠しているか、仕訳データだけでなく取引先マスタや部門マスタの同期方向(双方向か一方向か)、イベント検知のためのWebhookの有無、開発検証環境(Sandbox)の提供有無を精査します。既存のkintoneやCRM、独自の受発注システムなどとの接続計画がある場合は、PoCにて問題なく実行できるかを検証することを推奨します。
  •  
  • 確認すべき質問例:
  • 「APIの詳細な規格を教えてください」「マスタの連携エラーが発生した際のエラーログの取得方法について詳しく説明してください」

比較軸⑧ 権限・監査ログ・セキュリティ

企業の重要な財務データを守り、内部統制を担保するためのセキュリティ要件を比較します。

 

  • 経理のチェックポイント:内部統制の維持や税務調査時の証跡として、操作ログがどのように記録され、どのように閲覧できるかを確認します。
  •  
  • 情シス部門のチェックポイント:
  • 柔軟なロール設計(仕訳の入力者、承認者、閲覧のみのユーザー、全体の管理者など)が可能か、操作ログの保持期間は十分か、アクセス元を制御するIPアドレス制限機能や、SSOに対応しているか、二要素認証の強制ができるか、データの外部エクスポート権限を特定ユーザーのみに限定できるかを精査します。
  •  
  • 確認すべき質問例:
  • 「ユーザーごとに仕訳の承認権限を細かく制御することは可能ですか」「過去の仕訳データをエクスポートしたユーザーのログは、どの程度の期間保存されますか」

比較軸⑨ 料金・TCO(初期費用・ユーザー数・オプション・サポート)

ベンダーがウェブサイト等で提示している月額プランの料金表だけで判断するのではなく、総所有コストを算出します。

 

  • 経理のチェックポイント:
  • 無料プランや1年間無料といったキャンペーンの裏にある機能制限(月間取引件数の上限、登録できるユーザー数や取引企業数の制限、外部連携機能の制限)を見落とさないように注意します。
  •  
  • 情シス部門のチェックポイント:
  • 初期導入費用、利用するユーザー数の追加に伴う従量課金の仕組み、API利用オプション費用、有償のサポートプラン料金、既存システムからのデータ移行費用、その他追加料金を合算し、最低でも3年間の運用を見据えた総所有コストを試算して比較します。また、顧問税理士にアカウントを付与する際の専用ライセンス費用の有無も確認します。
  •  
  • 確認すべき質問例:「現在の従業員規模から今後3年間で従業員が50名増加した場合の、アカウント追加ライセンス費用を含めた年間見積もりを提示いただけますか」

比較軸⑩ 税理士連携・ベンダーサポート・障害時対応

導入後の安定した実務運用と、万が一の事態における事業継続性を確保するための軸です。

  • 経理のチェックポイント:外部の顧問税理士に対して、監査や確定申告のための専用の閲覧権限やデータ共有形式が提供されているか、一般的な税務申告ソフトとのデータ連携がスムーズに行えるか、ベンダーサポート体制と障害時の事業継続性についても確認します。
  •  
  • 情シス部門のチェックポイント:
  • 問い合わせチャネル(電話、チャット、メール)の受付時間や対応スピード、システム障害発生時の情報公開フロー、およびベンダー側におけるデータのバックアップ方針を評価します。
  •  
  • 確認すべき質問例:
  • 「システム障害が発生した場合、ユーザーへの第一報はどのような手段で、どのくらいの時間内に行われますか」「バックアップデータは地理的に離れた場所に冗長化されていますか」

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05

10項目を使った比較シートの作り方と重みづけ

10個の比較軸は、すべての企業が同じ比重で評価する必要はありません。自社が抱えている課題に応じて重みづけを行い、スコアリングすることが重要です。

 

例えば、既存の基幹システムや販売管理システムとの接続が最大のボトルネックとなっている中小企業であれば、「比較軸⑥:周辺業務との連携」「比較軸⑦:API・データ連携設計」の配点を高く設定します。一方で、法改正への迅速なキャッチアップが最優先課題であるならば、「比較軸②:法令・制度対応」の評価ウェイトを高く設定するとよいでしょう。

 

評価方法としては、各項目を5段階で採点し、最重要要件については「Go/No-Go(足切り基準)」として設定しておくことで、候補製品を効率的に絞り込めます。

 

また、無料トライアルやPoCを実施する際は、単に操作性を確認するだけでなく、自社における具体的な検証シナリオを用意することが重要です。具体的には、「月末に発生する複雑な複合仕訳を入力してみる」「メインバンク(主要取引銀行)を実際に連携して明細を取り込んでみる」「テスト用のAPIを発行してデータ連携を試みる」といった、実務を想定したテストケースをこなすことが確実な選定につながります。

 

経理部門と情シス部門が、同じ比較シートに対して独立して評価を記入し、点数や評価が食い違った部分について合同のミーティングで意見を調整していく運用を行うこともポイントです。双方の視点を反映することで、自社にとって最適な会計ソフトを選定しやすくなります。

【自社用】会計ソフト選定 比較評価テンプレート

以下の表は、上記の10項目を自社で評価するための雛形です。各項目に自社における重みづけ(高・中・低)を設定し、候補製品の適合度を記入してご活用ください。

 

比較軸 重みづけ(高・中・低) 製品A(適合度/メモ) 製品B(適合度/メモ) 製品C(適合度/メモ)
① 業務カバー範囲        
② 法令・制度対応        
③ 操作性・学習コスト        
④ 導入形態        
⑤ 金融機関・カード連携        
⑥ 周辺業務との連携        
⑦ API・データ連携設計        
⑧ 権限・セキュリティ        
⑨ 料金・TCO        
⑩ 税理士連携・サポート        

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06

会計ソフト選定のあとに決める「周辺システムとデータの役割分担」

新しい会計ソフトの選定・導入は、バックオフィス全体の最適化に向けた第一歩に過ぎません。システムを安定させた後に重要となるのは、周辺システムと会計ソフトの間で、データをどのように役割分担させるかという設計論です。

 

中小企業がバックオフィスDXを進める際は、一度にすべてのシステムを刷新するのではなく、段階的に導入を進める「フェーズアプローチ」が現実的です。

 

  • フェーズ1:
  • 会計ソフトをクラウド化し、仕訳や決算業務の基盤を安定させる
  •  
  • フェーズ2:
  • 販売管理や購買管理、経費精算システムとのデータ連携を確立し、二重入力を削減する
  •  
  • フェーズ3:
  • 予実管理や経営管理システムとつなぎ、リアルタイムな経営分析を可能にする

財務会計の最終的な記録・管理は会計ソフトが担います。一方で、売上・仕入・在庫・経費・予算など、会計処理の前段階で発生する業務データをどのように統合・整理し、会計ソフトへ受け渡すかも重要な検討ポイントです。

 

こうした上流データの統合基盤として活用できるのが、データ統合基盤「Slopebase」です。Slopebaseは会計ソフトの外側に位置し、各部門で発生する業務データを一元化し、適切な形式に変換して会計ソフトへ連携するハブとして機能します。

 

会計ソフトの選定段階から、将来的なマスタ一元化や周辺システムとのデータ連携を見据えたシステム構成を検討しておくことで、企業の成長に伴うシステムの再構築コストを抑えやすくなります。

 


会計ソフト選定後は、周辺システムとのデータ連携が課題となります。マスタ一元化や自動化といった「ノーコードで実現できるDX」を推進するには、データ統合基盤の活用が有効です。具体的な効率化手法は[こちらのアカウンティング関連ページ]で詳しく解説しています。
➡財務・経理部門でコスト削減、リスク軽減、生産性向上を実現!


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07

ある中堅サービス業における会計ソフト入替と「連携の壁」

従業員約80名、経理部門4名の中堅サービス業A社では、長年利用してきたオンプレミス型の会計システムから、業務効率化を目指して最新のクラウド会計ソフトへのリプレイスを決断しました。A社の経理部門と情シス部門は、事前のリサーチのもとシステムを選定し、導入自体はスケジュールどおり完了したものの、運用開始後に「連携の壁」に直面することになりました。

 

最初に直面した課題は、「販売管理SaaSと会計ソフトにおける取引先マスタの不一致」でした。販売管理側で登録された新しい顧客の名称やコードが、会計ソフト側に自動で反映されず、売上データをインポートするたびに名称エラーが発生していました。その結果、経理担当者が手作業でマスタ修正する運用が常態化していました。

 

次に起きた問題は、経費精算データの連携不備です。現場の従業員が申請し、上長が承認した経費のデータが、フォーマットの違いから会計ソフトに直接届かず、毎月末に経理担当者がCSVファイルをダウンロードし、Excelで加工して手動で取り込むという、導入前と変わらないアナログな作業が残ってしまいました。

 

さらに、情シス部門が突貫で構築したAPI連携プログラムも、クラウド会計ソフト側の定期的なAPI仕様変更に伴ってエラーを連発するようになり、保守運用のコストが跳ね上がる結果となりました。

 

当時のA社の社内会議では、次のような声が挙がっていました。

  • 経理管理職:「クラウド化で楽になるはずが、毎月のマスタ修正とCSVの加工で、結局残業時間が減っていません」
  • 情シス部門担当者:「会計ソフトのAPI仕様が頻繁に更新されるため、その都度連携プログラムを書き直すリソースが足りません」
  • システムベンダー:「周辺システム側でのデータ保持の形式が、会計ソフトの受け入れ要件を満たしていないことが原因です」
  •  

その後A社では、「比較軸⑥:周辺業務との連携」と「比較軸⑦:API・データ連携設計」の重要性を改めて認識し、要件定義の見直しを行います。そして、周辺システムで発生するデータを上流で統合・変換し、会計ソフトへ連携するためのデータ連携基盤の導入を検討することになりました。

 

この事例は、選定の初期段階で周辺システムとの境界線を意識しておくことの重要性を示しています。

 

※本事例は実際のケースを基に、特定できない形に加工して紹介しています。

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08

よくある質問

Q. 無料トライアルやPoCでは、具体的に何を検証すればよいですか。

A. 操作性の確認に加え、自社の実務を再現したシナリオで検証することが重要です。具体的には、(1) 月末に発生する複雑な複合仕訳の入力、(2) メインバンク口座を実際に連携した明細の自動取込、(3) テスト用APIによるデータ連携、(4) 権限設定どおりに操作が制御されるか、の4点を確認しましょう。比較軸⑦で挙げた検証環境(Sandbox)の提供有無も、事前にベンダーへ確認しておくとスムーズです。

Q. 会計ソフトの導入にはどのくらいの期間がかかりますか。

A. 規模や連携範囲によって幅がありますが、クラウド会計ソフト単体であれば数週間〜2か月程度、周辺システムとのAPI連携やデータ移行を伴う場合は数か月を見込むのが一般的な目安です。前述のとおり、移行残高を確定しやすい期首(新年度開始)での運用切替から逆算してスケジュールを組むと、手戻りを防ぎやすくなります。

Q. 経理担当が1〜2名で属人化している場合、選定で特に注意すべき点は何ですか。

A. 操作性・学習コスト(比較軸③)に加え、権限・監査ログ(比較軸⑧)と税理士連携・ベンダーサポート(比較軸⑩)の比重を高めることが有効です。担当者の交代や急な不在に備え、マニュアルの整備状況、操作ログによる作業の可視化、顧問税理士がデータを確認・代行入力できる権限設計を重視しましょう。

Q. 会計ソフトとERPの違いは何ですか。両方必要ですか。

A. 会計ソフトは財務会計に特化したシステムであり、ERPは全部門の経営資源を一元管理する仕組みです。中小企業では、会計ソフトの周辺領域をSlopebase等の統合基盤でつなぎ、段階的にERPに近い統合環境へ近づけていくアプローチが現実的です。

Q. 会計ソフトを入れ替える際のデータ移行で注意することは何ですか。

A. 過去の全仕訳データを移行しようとすると、システムごとの構造の違いにより多くの工数やコストが発生する場合があります。そのため、過去データはCSV等で別途保存し、新システムへは「科目ごとの開始残高」のみを移行して新期から運用を開始する方法が推奨されます。期の途中で切り替える場合は、移行時点までの期中累計(または月次残高)の取り込みが必要になるため、可能であれば期首での切替を計画するとスムーズです。

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まとめ

中小企業における会計ソフトの選定では、価格や知名度だけで選ぶのではなく、経理部門と情シス部門が密に連携し、自社に必要な「10の比較軸」を明確にした上で進めることが重要です。

会計ソフトをバックオフィス全体のデータ循環の核として位置づけ、周辺システムとの役割分担を適切に設計するとともに、自社の課題に応じたシートによる重みづけ評価を行うことで、導入後の二重入力や運用の混乱といった連携の壁を未然に防ぐことが可能になります。

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ClimberCloudとは

ClimberCloudとは

バックオフィス※業務のデジタル変革(DX)を支援する、
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クラウド型
Web請求/電子帳簿保管サービス

ClimberCloud

※バックオフィス業務とは経理や総務、人事、法務、財務などといった直接顧客と対峙することの無い社内向け業務全般を行う職種や業務のこと

ClimberCloudが提供するサービス

ClimberCloudは、3つのサービスでバックオフィス業務のデジタル変革を支援します。

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Web請求サービス(書類送付)
Web請求機能について

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データ保存サービス(電子帳簿保存法対応)[ 自社による保存機能
 ]
電子データ・電子取引対応保存機能について

03.データ保管サービス(電帳法対応)[ 他社による保存機能 ]

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~ 相手の利用サービスなどに依存せず書類の一元管理が可能
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類受領) ]
電子データ・電子取引対応保存機能について

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自己が発行した書類の写し
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相手方から受領した書類
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・各種契約書
・領収書
・注文書
・その他準ずる書類
該当条項
4条第2項
作成データを保存(書類申請)
4条第3項
紙のスキャンデータを保存
(スキャナ保存申請)
JIIMA認証
電子取引ソフト法的要件認証 スキャナ保存ソフト
電子取引
電子取引
国税関係書類以外の書類
・Web請求書
・FAX※PDF
・メール添付
・電子契約
該当条項
7条(義務)
授受したデータを保存
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電子取引ソフト
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この記事を書いた人

金田サトシ
国立大学を卒業後、外資系IT企業でSaaSアプリケーション(ERP/SCMなど)やセキュリティ系コンサルタントとして約15年の実績あり。ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリスト、情報処理安全確保支援士の情報処理資格を取得済み。自身の経験と体系的な知識をもとに、IT系全般をカバーするテクニカルライターとして、リアリティがありつつわかりやすい記事を多数執筆。
監修
北川 希

デジタルマーケティングやIT領域を中心に、年間200本超のライティング、100本以上の編集を担当。特に基幹業務系ソリューションやITインフラ、情報セキュリティに関する技術解説や導入メリット、導入事例に精通し、企業のDX推進や業務効率化に関する専門記事を多数執筆。行動経済学の知見をベースに、専門的なテーマでも初心者から専門職層まで伝わる記事作成・編集を実施。

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