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AI導入で経理業務を効率化する5つの事例
「AIって何に役立つの?」「どんなものを導入すればいいの?」という疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
以下では、AIの導入によって経理業務を改善した5社の事例を紹介します。
いずれも中小企業の経理によくあるお悩みを解決した事例です。
ぜひ自社に当てはめながら読んでみてください。
事例1:電子請求書受領・発行システムによる効率化
A社は請求書処理をすべて人の手によって行っていました。
受領した請求書を開封して内容を確認し、データの入力や支払申請・承認を実施していました。
手作業のため、かなりの時間がかかり、入力ミスや紛失のリスクもありました。
また、すべて紙で管理していたため、保管場所の確保や整理・ファイリングのコストも課題となっていました。
加えて、請求書の発行にも課題がありました。
Excelで請求書を作成し、印刷・押印して封入するといった業務の負担が、締日後の月初に集中している状態でした。
そうした課題を解消するために、AI-OCR機能のある電子請求書受領・発行システムを導入しました。
OCRは、Optical Character Reader/Recognitionの略で、画像データのテキスト部分を認識する光学文字認識機能ですが、AI-OCRは、OCRにAI技術を加えたもので、機械学習や深層学習によって、従来のOCRの弱点であった文字の認識率を大幅に向上させた技術です。
AI-OCRによって受領した請求書の日付や金額を読み取り、自動的に支払いデータとして反映するため、手入力の手間が大幅に削減されました。
データ化によって電子帳簿保存法の「スキャナ保存」の要件を満たしたため、受領した請求書原本の廃棄も可能になり、保管に関する負担も軽減されました。
事例2:経費精算システムによる効率化
B社の課題は、多数在籍する営業担当者の経費精算でした。
経理担当者は膨大な申請に対応して精算をしなければなりませんでした。
営業担当者にとっても、忙しい中での経費申請は手間がかかり、月末月初の営業活動にも影響が出ていました。
領収書の紛失や不正のリスクもあるため、経費精算における効率化の必要性を多くの従業員が感じていました。
そこで、効率化を目指して経費精算システムを導入し、AI-OCR機能によってレシートや領収書をスマートフォンで撮影することで内容の読み込みが可能となりました。
そのまま申請データとして活用できるため、営業担当者が申請する際の負担が大幅に削減できました。
上長や経理担当者もパソコンなどで申請内容を確認でき、紙の申請書を回すことなく承認フローが進むため、精算までの時間を大幅に削減できています。
また、経費のデータが自動で蓄積され、迅速に可視化されるため、経費状況をリアルタイムに把握することにも役立っています。
事例3:AI搭載の会計システムによる効率化
C社は、会計データの分析業務に時間がかかり、経営判断に迅速に活かせないことを課題として抱えていました。
Excelを使って手作業で集計や分析を行っていたため、分析した結果をグラフや表を使って可視化することに多くの時間がかかっていました。
そこで、AIによる自動仕訳や分析の可能な会計システムを導入しました。
銀行やクレジットカードと連携し明細を取り込むことで、AIによる自動仕訳が可能となっています。
経理担当者はAIの作成した仕訳を確認し、必要に応じて修正して承認を行うことで、仕訳業務が迅速に完了します。
修正した点をAIが学習することで、仕訳の精度を継続的に高められています。
事例4:AI-OCR不正検知システムによる効率化
D社は、経費精算におけるミスや不正の検知が課題でした。
経理担当者が少ないため、日頃の業務にも追われており、経費精算でミスや不正がないか、しっかりチェックすることが難しい状態でした。
経費精算業務はデータで行っていたものの、領収書やレシートは画像データで提出されるため、不正に加工されたものかどうかを簡単に判断できないという悩みがありました。
そこで、AI-OCRによる不正検知システムを導入しました。
不正検知システムは、領収書やレシートを読み取る際に、ミスや不正がないかどうかも確認できます。
領収書を二重登録してしまうケース、購入日や購入店舗を加工して同じレシートを使いまわしているケースなど、AI-OCRが自動で検知します。
事例5:チャットボットシステムによる効率化
E社は、顧客による経理担当者への問い合わせが多く、通常の業務を圧迫していました。
営業時間外や休日に入る問い合わせには、迅速な対応ができないことによる顧客満足度の低下も懸念されていました。
そこで、チャットボットシステムを導入しました。
チャットボットシステムは、顧客からのよくある質問には、チャットボットが自動で回答します。
複雑な質問については経理担当者の対応が必要ですが、AIが機械学習することで対応できる範囲が広がり、効率化が進んでいます。