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AI業務効率化成功の鍵
AIによる業務効率化を目指すには、導入前の理解や確認が不可欠です。以下では、AIを導入する前に知っておきたい4つのポイントを紹介します。
具体的な目標設定を行う
AIを導入するにあたっては、現状や課題を把握した上で、目標を明確にする必要があります。
AIの活用には様々な可能性があるため、活用分野を決めて具体的な目標を設定することが不可欠です。解決すべき課題によって、導入すべきAIは異なるため、まずは「導入によって何を達成したいか」を明確にしましょう。現状や課題を把握した上で、現実的に考えて実現可能な目標を設定します。
大まかな目標を決めたら、さらに細かく具体的・定量的で測定可能な目標を設定しましょう。AIの効果は、数字で表れるものとは限りません。そのため、AIの導入と効果の関連性の定義は重要です。何をもって「効果がある」とみなすかを明確にすると、目標を達成できたかどうかを振り返る際にも役立ちます。
AIの種類と特徴を理解した上で導入するものを検討する
AIにできることは、以下のように様々です。
AIにできること
- ・画像認識
- ・音声認識
- ・自然言語処理、文章理解
- ・機械制御
- ・未来予測
こうした機能を搭載したシステムやツールには、以下のようなものがあります。
ツールの 種類 | 特徴 |
---|---|
チャット ボット | 問いかけに対して自動で返答をするプログラムのこと。社内でのヘルプデスクや社外からの問い合わせ窓口として活用できる。「チャット」と「ロボット」を組み合わせた言葉。 |
RPAツール | 定型化された繰り返しの作業やルールに基づく作業を自動化できるツール。作業手順をシナリオとして設定し、運用する中で効率性やエラーを自動的に監視できる。 |
需要予測 システム | 過去のデータを学習し、今後見込まれる需要を予測するシステム。材料の発注数や仕入れの数などについて、適切な予測をするために使われることが多い。 |
画像認識 システム | 画像に映っているものを認識するシステム。顔認証、生産工場における異物・不良品の検知、文字の自動翻訳など様々な用途に活用されている。 |
音声認識 システム | 音声を認識して文字に起こす機能を持つシステム。スマートフォンの音声入力機能や、コールセンターにおける会話内容の文字起こしなどに使われる。 |
(注)それぞれツールにはAI機能を搭載しているものと搭載していないものがあります。
以上のように、AI搭載と一口にいっても様々なものがあります。複雑なプロセスを実行する、膨大なデータから規則性を見つけて予測を立てるといったことが、AIの持つ強みです。どのようなシステムやツールがあり、どのようなことができるのかを理解した上で、導入するものを検討しましょう。
一方で、AIは万能ではありません。「AIに任せる」というよりも「AIを活用する」という意識を持ち、人間が行う業務とAIが行う業務を明確に区別することも必要です。
社内体制の整備や人材の育成を行う
AIの導入や活用には、対応できる体制や人材を社内に確保することが不可欠です。AIの活用について新たな部署やチームを設ける、AI人材の教育を行うといった対策を講じましょう。
社内での対応が難しければ、「導入はしたものの有効に活用できない」「変化する社内の状況に柔軟に対応し続けることができない」という事態に陥りかねません。また、従業員や顧客の理解を得たり、説明したりするためにも、社内に部署や人材がいる方がよいでしょう。従業員や顧客の声を把握し、反映する場合もスムーズです。
外部の専門家の協力を得ることも一案です。但し、社内の状況を把握し、状況に合わせてAIの活用を柔軟に行うには、社内に専門部署があったり、社内事情に精通していてAIに関する理解もある人材がいたりするほうがスムーズといえるでしょう。
効果測定の指標と方法を明確にしておく
AIの導入後に、設定した目標をどの程度達成しているかを振り返ることも大切です。