電子帳簿保存法の要件を満たしてEDIデータを保存するポイントは下記3つです。
1.EDIデータの保存方法を確認
2.検索性の確保
3.真実性の確保
それぞれ解説していきます。
1.EDIデータの保存方法を確認
電子帳簿保存法に対応する形で、EDIデータを保存する一般的な方法は下記2種類です。
●EDIシステムに保存する
●電子帳簿保存システムを使って保存する
利用中のEDIシステムでデータを長期保存できるなら、追加コストを抑えて電子帳簿保存法に対応できるかもしれません。
場合によっては、システムの変更が必要となるため、専門業者に確認しましょう。
一方で、帳簿・書類データは7年間の保存期間が定められているため、データ容量がかさんでハードディスクなどの記憶媒体を圧迫する恐れがあります。
EDIシステムと連携した電子帳簿保存システムを使う場合、EDIシステムからCSVなどの形式でデータを出力し、電子帳簿保存システムへ保存します。
データが一元管理できるため、業務効率化が期待できるでしょう。
但し、電子帳簿保存システムをこれから導入するのであれば、導入コストが発生します。
両者の長所・短所を考慮し、自社に合った保存方法を選定しましょう。
2.検索性の確保
「検索性の確保」を満たすには、先述のとおり「取引の日付・取引額・取引先」で検索できる形でデータを保存する必要があります。
厳密にいうと、下記2点が「検索性の確保」の要件です。
●日付または金額について、範囲を指定した検索ができる
●「取引の日付・取引額・取引先」のうち、2つ以上の項目を組み合わせて検索できる
電子帳簿保存システムのほかEDIシステムでも、電子帳簿保存法の要件に準拠したものがリリースされているため、現在利用中のシステムを一度確認してみるとよいでしょう。
各種システムを使用せずにデータを保存する場合は、保存するファイル名を「20240401_3000000_(株)A工務店」といった形に指定し、特定のフォルダに集約しておけばOSの検索機能が活用できます。
もしくは、Excelなどでデータの索引簿を作成する方法でも、Excel上で検索機能が使えるため「検索性の確保」要件を満たせます。
3.真実性の確保
もう一度、「真実性の確保」を満たす4つの方法をおさらいしておきましょう。
1.タイムスタンプが付与されたデータを受け取る
2.データの受け取り後、速やかにタイムスタンプを押して保存する
3.データの訂正・削除履歴が残るシステム / 訂正・削除ができないシステムでデータを受け取り、保存する
4.データの改ざん防止に関する事務処理規程を作成・運用する
要件をみると、1に関しては取引先の対応が必要なため、自社では満たせません。
従って、2~4を検討していきますが、2と3は専用のシステムが必要です。
「検索性の確保」と同様に、現在利用中のシステムで対応できないか一度確認しましょう。
専用システムを使わないなら、4の事務処理規程の作成で真実性の確保を図ります。
システム導入コストはかかりませんが、専門的な知識が求められるため専門家への相談が必要となるでしょう。
また、さらなる法改正が行われた場合、改正内容に応じて規程も変更を加えなければなりません。
参考までに、EDI取引も含めた事務処理を一貫してデジタル化した際のイメージは下図のようになります。