01
値引きの種類
値引きといっても複数の種類があり、値引き(割引)の発生理由などを理解しておくと請求書の作成にも役立ちます。まずは5種類の代表的な値引きを整理していきましょう。
数量割引
数量割引は、言い換えれば「まとめ買い割引」です。一度に多くの商品を購入する注文に適用します。身近な例では、お酒のケース売りがわかりやすいでしょう。1本190円の缶ビールをバラで24本買うと4,560円ですが、24本入のケースの価格は4,200円(1本あたり175円)と、約8%割引になるような形です。
早期割引
通常よりも早いタイミングで支払いや予約を行った顧客に適用する割引が早期割引です。クリスマスケーキ、おせち料理といった季節限定商品や、新発売の商品で早期予約割引を適用するケースがみられます。そのほか、旅行の「早割」も代表的な早期割引です。
端数調整
商品の販売やサービス提供においては、必ずしも請求金額がキリのよい数字になるとは限りません。請求金額で端数が生じたとき、端数分をサービスで値引きして請求金額を簡潔にすることを端数調整といいます。例えば、本来の請求金額が100,080円の場合、端数の80円を切り捨てて100,000円ぴったりで請求するといったかたちです。
出精値引
取引先との関係を考慮して行う特別な値引きが出精値引きです。「この予算内で収めたい」と主張する取引先との交渉の結果「これ以上は譲れない」として提示する最大限の割引などが該当します。数量を値引きの根拠とする数量割引や、購入時期を根拠とする早期割引とは違って、出精値引は値引きの明確な根拠を持ちません。
割戻(リベート)
割戻(リベート)は一定期間内の取引実績に応じて、一定の割合・金額を後日還元する仕組みです。例えば、購入額が1,000万円を超えた取引先に対して、購入金額の3%をキャッシュバックするような場合が割戻に該当します。取引後に還元する点が、数量割引や早期割引など、即時適用の値引きとは異なります。