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基幹システムの種類一覧|販売・生産・在庫・会計それぞれの役割とERPとの違いを解説

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本記事は2026/09/28に更新しております。
基幹システムの種類一覧|販売・生産・在庫・会計それぞれの役割とERPとの違いを解説

受注したデータを販売管理システムに入力し、同じ内容を会計システムにも入れ直す。在庫の数字がシステムによって違う。請求書作成のたびに、別の画面から取引先の情報を探してくる。こうした作業に心当たりはないでしょうか。

 

企業には販売管理、生産管理、在庫管理、会計・財務など、さまざまな基幹システムが存在します。それぞれが有効でも、システム同士がつながっていなければ、その間に手作業で転記や突き合わせをする処理が必要です。

 

本記事では、基幹システムの定義や情報系システムとの違い、代表的な種類とそれぞれの役割、ERPとの違いを解説したうえで、システムの隙間で起きる二重入力の防ぎ方まで紹介します。読み終えたときには、自社のシステム構成を棚卸しし、次に手を入れる範囲を判断できる状態を目指します。

01

まずは結論!基幹システムは「種類をそろえること」より「システムの隙間をなくすこと」で効果が決まる

基幹システムを導入するとき、多くの企業は販売・生産・在庫・会計といった種類を一通りそろえることを検討しがちです。しかし、それぞれのシステムが独立して動いているだけでは、根本的な業務効率化にはつながりません。システムとシステムの間に人が入り、同じ数字を画面から画面へ打ち直す作業が残ってしまうからです。

実際、弊社が行った経理の実務担当者221人を対象にした調査(2025年3月14日実施)では、経理業務の中でムダだと感じる作業の1位に「データの複数システムへの二重登録」が挙げられ、38.0%を占めています※。基幹システムを導入していても、このような手作業が現場に残っているケースは少なくありません。

 

システムを増やすこと自体が業務効率化に直結するわけではありません。効果を左右するのは導入した数ではなく、データが途切れずにつながっているかどうかです。自社の状況を判断する際は、次の3ステップで整理すると進めやすくなります。

 

領域の棚卸し
業務プロセスにおいて、販売、生産、在庫、会計のどの領域がシステム化されているかを洗い出す

 

つなぎ目の確認
システム間のデータの受け渡しで、CSVを出力して別システムに読み込む、画面を見ながら手入力するといった作業が発生していないかを確認する

 

解決策の検討
つなぎ目を埋める方法として、システム全体を入れ替える全面刷新と、現在のシステムを生かしつつ連携だけを行う部分適用のどちらが合うかを検討する

 

システムを導入したのに、入力の手間が減らない、システムごとに数字が異なるため月末締めのたびに突き合わせ作業が発生する。このような事態は避けなくてはなりません。基幹システムを評価する際は、業務の流れの中で人が手作業でデータをつなげなくてはならない箇所がどれだけ残っているかを見ることが重要です。

 

※出典:ムダだと感じる経理業務の1位は「データの複数システムへの二重登録」!

 

◆業務プロセスにおいて、無駄だと感じる作業をすべて教えてください。

データの二重入力

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02

基幹システムとは何か、情報系システム・業務システムとどう違うのか

基幹システムという言葉に、法律などで定められた厳密な定義があるわけではありません。一般的には、企業活動の中心となる業務を支え、停止すると事業運営に大きな影響が出るシステムを指します。代表例として挙げられるのが、販売管理、生産管理、在庫管理、購買管理、会計、人事・給与などです。

一方、企業には基幹システム以外にも数多くのシステムがあります。社内ポータルやグループウェア、チャットツールなどは、業務そのものを処理するというより、情報の共有やコミュニケーションを支える役割を担っているシステムです。

 

【システムの影響度・対象範囲の位置づけ】

システムの影響度・対象範囲の位置づけ

基幹システムと情報系システムの違い

両者を区別するときに分かりやすいのが、停止したら何が起こるかという視点です。

 

販売管理システムが停止すれば、受注や出荷、請求といった業務そのものが止まり、売上が立たなくなります。会計システムが使えなくなれば、仕訳や決算処理を進めることが難しくなります。

 

これに対して、社内ポータルやチャットツールなどの情報系システムが停止した場合、情報共有や意思決定のスピードは落ちるものの、電話や対面など代替手段があるため、販売や生産といった事業活動そのものが即座に止まるとは限りません。

 

この違いを踏まえると、基幹システムは事業を動かすための処理を担い、情報系システムは事業を動かすための情報共有を担う、と考えると理解しやすいでしょう。

基幹システムと業務システムの違い

業務システムとは、特定の業務を効率化するための仕組みを広く指す言葉です。基幹システムは、その中でも企業活動の根幹に関わる重要なものを指すというのが、両者の一般的な関係です。全ての基幹システムは業務システムの一部ですが、全ての業務システムが基幹システムというわけではありません。

 

例えば、経費精算システムや名刺管理システムは特定の業務を効率化する業務システムですが、これらが停止しても会社の取引がすぐに止まるわけではないため、基幹システムとは呼びません。

 

実務では、この呼び方が明確に使い分けられているとは限らず、営業部門が業務システムを新しくしたいと言ったつもりが、情シス部門には基幹システムの話として伝わってしまうなど、用語の混在で話がかみ合わなくなる場面も見られます。

 

システム刷新やDXの議論を進めるときは、名称だけで判断せず、何の業務を処理しているのか、停止すると何に影響するのかまで、共通の認識を持ったうえで対応することが重要です。

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03

基幹システムの種類一覧と、それぞれの役割

基幹システムの種類を理解するには、システム名よりも、各システムがどのようなデータを持ち、業務の次工程へ何を渡しているのかを見ると分かりやすくなります。
例えば商品の販売を行う企業であれば、受注情報を起点に、生産や仕入、出荷、請求、会計へとデータが流れていきます。この章では、事業活動の川上から川下に向かって、代表的な5つの基幹システムがどのようにつながっているかを解説します。

【データの流れと対象基幹システムの一例】

データの流れと対象基幹システムの一例

 

【自社基幹システム棚卸表】

業務領域 利用システム名 主なデータ データの受け渡し先 連携方法 手作業の有無
①販売管理          
②生産管理          
③在庫管理・購買管理          
④会計・財務管理          
⑤人事・給与管理          

①販売管理システム

販売管理システムは、見積から受注、出荷、売上計上、請求までの販売活動全体を扱う領域です。営業部門や営業事務部門が主に使用します。

 

顧客からの注文を起点として動くため、事業活動の入口にあたるシステムでもあります。取引先マスタや商品マスタという、企業の商取引の基礎となるデータを持ち、受注した商品をいつ、どの顧客に、いくらで販売したのかを記録します。ここで確定したデータは、その後二つの方向へ渡されます。一つは、商品を動かすための引き当てデータとして在庫管理システムへ。もう一つは、売上・請求データとして会計システムへ渡されます。ここで入力されるデータの正確性が、後工程全ての品質を左右します。

②生産管理システム

生産管理システムは、主に製造業において、生産計画の立案、部品や原材料の所要量計算、工程管理、製造原価の計算などを扱う領域です。製造部門や生産管理部門が主に使用します。

 

販売管理システムから、いつまでに、何を、いくつ納品すべきかという情報を受け取り、それに合わせて工場を稼働させる手配を行います。製造業以外の卸売業やサービス業などではこのシステムに該当しない場合がありますが、代わりに建設業やIT業では、工事管理システムや案件管理システムが同じ位置を占め、プロジェクトごとの進捗と原価を管理する役割を担います。重要なのはシステム名ではなく、自社の業務において作る、進めるという工程をどう管理しているかです。

③在庫管理・購買管理システム

在庫管理・購買管理システムは、社内にある商品の数量と評価額を管理し、不足分の発注、仕入先からの納品物の検収までを扱う領域です。

 

このシステムは、データの流れの中継地点に位置しています。営業部門からは販売管理を通じて出荷による在庫の減少が伝わり、製造部門からは生産管理を通じて部品の消費や完成品による在庫の増減が伝わります。販売と生産の両方から参照され、常にデータが更新される位置にあるため、システム上の数字と実際の倉庫の数字の食い違いが最も表面化しやすい領域だといえます。

 

例えば販売管理では出荷済みとなっているのに在庫管理では出庫処理がされていない場合、両方の数字が一致せず、担当者が原因を調べてデータを修正することになります。在庫は現物とシステム上の数字の両方が存在するため、単純な入力ミスだけでなく、業務フローそのもののつながりを確認する必要があります。

④会計・財務管理システム

会計・財務管理システムは、仕訳、債権債務の管理、決算処理、資金管理など、企業活動の結果を会計情報として集約する領域です。経理・財務部門が使用します。

 

業務プロセスの流れで見ると、販売、生産、在庫、人事など、他の全ての領域から最終的な結果を受け取る最下流にあたります。上流のシステムでデータが正しく処理されていなかったり、連携が途切れていたりすると、そのしわ寄せは会計システムに集まります。

 

販売管理の売上データと入金データが一致しない、在庫の評価額が連携されていないといった問題が起きると、経理担当者は月末や締めのたびに、システム間の数字を突き合わせることになります。経理業務の改善では、会計システムだけを見るのではなく、システムに入ってくる前のデータがどこで作られ、誰がどのように渡しているのかを見ることが重要です。

 

経理業務全体のDXについては、経理業務改善の決定版|DXで攻めの経理へ変革する方法も参考になります。

⑤人事・給与管理システム

人事・給与管理システムは、従業員の勤怠、給与計算、人事評価、社会保険関連情報などを扱う領域です。人事・労務部門が使用します。

 

従業員というヒトに紐づく機密性の高いデータを扱うため、販売や在庫とは完全に独立したクラウド型の給与サービスを単体で契約している企業が多数です。ただし給与計算の結果は、最終的に人件費という勘定科目として会計システムに連携する必要があります。システムが独立しているがゆえに、この給与計算システムから会計システムへのデータ連携が、CSVのダウンロードや手入力のまま残ってしまっているケースが少なくありません。

 

このように、基幹システムの種類は、代表的なものとして5種類ありますが、必ずしも全て導入すべきものではありません。自社の業務に必要な領域を洗い出し、その領域間でデータがどのように流れているかを確認することが重要です。

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04

基幹システムとERPの違い

基幹システムを検討していると、必ずERP(Enterprise Resource Planning)という言葉に出会います。日本語では統合基幹業務システムと訳されます。ここでは、単なる用語の比較で終わらせず、自社はどちらを選ぶべきかという判断基準までを解説します。

【基幹システムとERP比較】

項目 個別の基幹システム ERP
目的 各部門の業務を個別に最適化する 企業全体の業務とデータを統合して最適化する
データの持ち方 システムごとに個別のデータベースを持つ 全領域がひとつの統合データベースを共有する
導入範囲 必要な業務領域からスモールスタートしやすい 複数領域を横断して、一括または段階的に導入する
変更のしやすさ 領域ごとに改修やリプレイスがしやすい 1か所の変更が他領域に影響するため慎重な設計が必要になる
コスト システムごとに分散する。連携開発費が都度発生する 初期投資は大きいが、連携開発費は抑えられる

個別最適と全体最適という考え方の違い

個別の基幹システムとERPの最大の違いは、最適化の範囲とデータベースの構造にあります。

 

個別の基幹システムは、営業部門は販売管理システム、経理部門は会計システムというように、各領域に最も適した仕組みを個別に選ぶという考え方です。現場の要望を満たしやすい反面、システム間でデータを連携するためのプログラムを個別に開発するか、手作業でデータを移す必要があります。

 

一方でERPは、販売、在庫、生産、人事、会計などの全領域を一つの大きなパッケージとして導入し、全てを一つのデータベースで一元管理する考え方です。販売管理で売上が計上された瞬間に、裏側で自動的に会計の仕訳が切られ、在庫も落とされるといった連携が実現し、データのリアルタイム性と正確性は高まります。

 

これはどちらが優れているかという単純な話ではなく、自社の業務を現場の使い勝手に合わせるか、全社的なデータの統合に合わせるかという選択です。個別システムを利用している場合でも、APIやCSVなどによって適切に連携できていれば、システム間の隙間をなくすことは可能です。

ERPに寄せるべき範囲と、寄せなくてよい範囲

ERPは強力な仕組みですが、全ての業務をERPに押し込もうとすると失敗します。領域によって、ERPに寄せるべき範囲と、寄せなくてよい範囲があるためです。

 

ERPに寄せやすいのは、業務の変更頻度が低く、法令や会計基準など決まったルールに沿って動く領域です。代表的なのは会計や人事労務です。これらの業務は、どの企業でも本質的な処理手順が大きく変わらないため、ERPが備えている標準的なプロセスに自社の業務を合わせることで大きな効率化が見込めます。

 

逆にERPに寄せにくいのは、業種特有の商慣習がある領域や、取引先ごとの個別対応が頻繁に発生する領域です。特定得意先専用の複雑な割引ルールがある販売管理や、取引先から指定された伝票フォーマットに対応しなければならない業務、職人の勘と経験に依存する特殊な工程管理などが該当します。

 

こうした自社の強みや独自性に関わる部分まで無理にERPの標準機能で対応しようとすると、膨大なカスタマイズが必要になります。その結果、導入費用が跳ね上がるだけでなく、将来ERPをバージョンアップするたびに、カスタマイズ部分の改修費用が重くのしかかる状態に陥ってしまいます。現場ごとに異なる業務のやり方まで無理に標準機能へ寄せた結果、変更コストが膨らんだケースについては、後述する実例でも取り上げます。

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05

システムの隙間で起きる二重入力と、その防ぎ方

実務では、既に複数のシステムが存在しているにもかかわらず、その間を人がつないでいることが問題になります。

前述の経理の実務担当者を対象にした調査では、ムダだと感じる作業として、データの複数システムへの二重登録を挙げた人が38.0%にのぼりました※1。類似書類の複数回作成が27.3%、紙媒体と電子媒体への二重保管が25.0%と続いています。

 

別の調査でも、基幹・会計まわりのシステムに満足していると回答した割合は24.8%にとどまり、課題として機能の不足が41.8%、使いにくさが38.2%挙げられています※2。

 

ここから見えてくるのは、システムを導入することと、業務がつながることは別だという事実です。種類はそろえたのに現場の入力作業が減らず、締めのたびに数字の突き合わせが発生し続ける状態は避ける必要があります。

 

※1出典:ムダだと感じる経理業務の1位は「データの複数システムへの二重登録」!

 

※2出典:経理業務でAIを導入している企業は57.4%!

 

◆ソフトウェアやシステムなどの全体的な満足度を教えてください。

システムの満足度

 

◆あなたの部門の経理のデジタル化に関する不満や課題に関して当てはまるものをすべてお答えください。

システムの不満

隙間が生まれる典型的な場所

システムの隙間が生まれ、二重入力や突き合わせが発生する典型的な場所は、次の4つのタイミングです。

 

● 受注・売上データを会計へ渡す
販売管理システムの受注・売上データを、経理が会計システムに仕訳として入力し直す。イレギュラーな値引きや返品があると数字が合わず、目視での確認が発生する

 

● 在庫の数字を販売側と突き合わせる
販売管理システムの出荷済みの数字と、在庫管理システムの出庫済みの数字がリアルタイムで連動せず、月末の棚卸しで差分を調整する

 

● 給与や勤怠を会計へ取り込む
給与計算ソフトのデータをCSVでダウンロードし、会計システムのフォーマットに合わせて手動でインポートする

 

● 請求書を支払データに起こす
PDFや紙の請求書を見ながら、オンラインバンキングと会計システムの両方に同じ金額を手入力する

 

共通しているのは、システムそのものが完全に機能していないわけではなく、問題はシステムの境界にあるデータの受け渡しだという点です。システムの隙間は機能の不足というより、責任の境界として捉えると分かりやすくなります。

全部を入れ替えずに隙間を埋める方法

現行システムを残したまま、データの受け渡しだけを改善する方法もあります。CSV連携、API連携、連携用のデータベースを介した統合が代表的な例です。

 

● CSV連携
既存システムからデータを書き出し、別のシステムへ取り込む方法。取り組みやすい一方、ファイルの出力・加工・取り込みの作業が残り、完全な自動化には限界がある

 

● API連携
システム同士がプログラムを介してデータをやり取りする方法。売上確定と同時に会計側へ自動でデータが渡る仕組みも実現でき、人の作業を大きく減らせる。会計ソフトのAPI連携で手入力ゼロは実現できるかやWebAPI超入門も参考にしてください

 

● 連携用のデータベースを介した統合
複数のシステムからデータを集め、連携基盤を経由してやり取りする方法。古いシステムと新しいシステムが混在する場合や、連携先が多い場合に向いている

 

重要なのは、最初からシステムを一つにするという結論を出さないことです。まず、どこに手作業が残っているかを特定し、その部分だけを改善できないかを検討します。

電子帳簿保存法とインボイス制度の要件は隙間に落ちやすい

法制度への対応も、システムの隙間を考えるうえで注意したい点です。

 

電子取引データの保存や適格請求書の管理などは、販売管理、請求書管理、会計といった複数の業務にまたがります。そのため、販売側のシステムで処理するのか、会計側で処理するのか、別のシステムを使うのかを決めないまま導入すると、経理が処理するはず、営業が対応するはずといったすれ違いが生じやすくなります。最終的にフォルダへの手作業での保存や、Excelの台帳でのインボイス番号管理といった人手による運用が残ることがあります。

 

基幹システムを導入すれば、自動的に法制度への対応が完了するわけではありません。必要な要件をどのシステムが担い、どのデータをどこに保存するのかまで、設計段階で決めることが重要です。

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06

導入前検証9社に見る、実際の基幹システム構成

本章では、2026年から弊社が進めている9社の導入前検証の記録から、異なるシステム構成の企業を取り上げます。導入前検証(PoC)とは、本格導入の前に、実際の業務やデータを使って、想定した仕組みが実現できるかを確認する検証のことです。

対象は製造、卸売、小売、建設、商社、ソフトウェア開発、教育などの業種で、従業員規模は15名から2,300名まで幅があります。その中から、特徴的な課題を持つ3社の事例を紹介します。

 

※本章で紹介する3社の事例は、実際に実施した導入前検証(PoC)の内容にもとづいていますが、守秘義務への配慮から社名は伏せ、一部の数値・業種情報を差し支えない範囲で調整して紹介しています。

基幹に業務を集約した結果、変更コストが上がった小売業の例

1社目は、静岡や愛知を中心に多店舗展開する釣具専門の卸売業・小売業で、従業員規模は500〜600名です。本部に基幹システムを持ち、店舗での発注、仕入、商品移動、廃棄、中古買取といった店舗業務のほぼ全てをPOSシステムに集約していました。

 

一見すると理想的な統合に見えますが、深刻な課題を抱えていました。店舗業務の一部の機能だけを変更したい場合でも、POSシステム全体の改修が必要になり、改修費用が跳ね上がってしまうのです。業務をシステムに組み込むほど、その業務を変更するときの自由度が下がる可能性があります。

 

ERPや基幹システムに業務を集約しすぎると、変更のたびに費用が多く発生してしまうという実例です。ERPや基幹システムの設計では、統合することだけでなく、将来変更する可能性がある業務をどこまでシステムの中に固定するかも考える必要があります。

基幹システムはあるが、周辺は紙と手入力で埋めていた商社の例

2社目は、全国20拠点を構える家庭用品の商社で、従業員規模は300〜500名です。商品物流本部を中心に、AS/400というIBM製の業務用サーバーで基幹システムを運用していました。現在はIBM iという名称が使われています。グループウェア付属のワークフロー機能は、機能不足のため導入が見送られていました。

 

システムのコア部分は安定稼働しているものの、その周辺業務のアナログ対応が課題となっていました。担当者のITリテラシーはExcelに入力して帳票として印刷する程度にとどまっており、日常の業務プロセスは、紙の伝票を印刷して関係者に回覧し、承認を得たものを基幹システムへ手で打ち直すというものでした。

 

ここで重要なのは、基幹システムが古いから問題という単純な話ではないという点です。基幹システムが業務の中心を担っていても、その周辺に紙やExcelが残れば、そこがデータ連携の隙間になります。

基幹システムを持たず、Excelで受発注から請求まで回していた例

3社目は、金融系のソフトウェア開発業で、従業員規模は100〜200名です。見積から受注、納品、請求までのプロセスを、統一された基幹システムを導入せずにExcelで管理していました。

 

基幹システムを導入していない企業では、Excelが事実上の基幹システムになっていることがあります。この企業でも、支店ごとにブックが分かれていたため、データを横断して確認する際には、ファイル間の転記や集計が必要になっていました。

 

規模や業種、立派なシステムが入っているかどうかを問わず、データが分断されている場所には手作業の二重入力が発生するという論点は共通しています。基幹システムがない企業だけがシステムの隙間に悩むわけではないということです。

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07

よくある質問

 

Q1.基幹システムと業務システムは何が違うのですか?

A.業務システムは特定の業務を効率化する仕組み全般を指し、その中で止まると事業活動が停止してしまう重要度の高いものを基幹システムと呼びます。経費精算や社内チャットは業務システムにあたり、基幹システムではありません。判断基準は対象業務と事業への影響度です。詳しくは、基幹システムとは何か、情報系システム・業務システムとどう違うのかの章をご覧ください。

Q2.基幹システムは全ての種類をそろえる必要がありますか?

A.全ての企業が販売、生産、在庫、会計、人事などのシステムを全部導入する必要はありません。例えばサービス業に生産管理システムは不要です。重要なのは種類を網羅することではなく、自社に必要な業務領域を整理し、領域間でデータが途切れずに連携されているかです。詳しくは、基幹システムの種類一覧と、それぞれの役割の章をご覧ください。

Q3.ERPに入れ替えるのと、いまのシステムをつなぐのでは、どちらがよいですか?

A.業務の標準化と変更頻度、既存システムの状態で判断します。全社的な業務標準化を一気に進めたいならERPが適していますが、業種特有の運用が多い場合は、既存システムをAPIなどでつなぐほうが、コストもリスクも抑えられます。詳しくは、基幹システムとERPの違いの章をご覧ください。

Q4.基幹システムを入れれば電子帳簿保存法やインボイス制度に対応できますか?

A.導入しただけで、法制度への対応が自動的に完了するわけではありません。販売管理と会計のどちらで要件を満たすデータを保持し、どう連携するかという運用設計が必要です。データの受け渡しが曖昧なままだと、法令対応のプロセスがシステムの隙間に落ち、手作業が残ってしまいます。

Q5.システムを増やしたのに入力作業が減りません。どこから見直せばよいですか?

A.システムそのものの機能ではなく、システム間で人がデータを受け渡している場所を洗い出してください。二重入力、CSV加工、Excelでの突合、紙からの転記などが見つかれば、そこが改善候補です。API連携を活用することで、既存システムを入れ替えずに改善できる場合もあります。数を増やすよりも、データをつなぐアプローチへの転換が解決の糸口です。API連携の考え方については、経理がAPI連携するメリットも参考になります。

Q6.記事中の事例は実在する企業のものですか?

A.はい、実際に実施した導入前検証(PoC)にもとづく事例です。ただし守秘義務の観点から、社名は公開せず、一部の業種・規模等の情報を特定されない範囲で調整しています。自社と近い状況の事例がないか、業務の流れやシステム構成の考え方の部分を参考にしてください。

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08

まとめ

基幹システムとは、販売、生産、在庫、会計など、企業活動の根幹を支える業務を処理するシステムです。情報の共有や流通を支える情報系システムとは役割が異なります。基幹システムは、販売・生産・在庫購買・会計財務・人事給与といった業務領域から5種類に分類できます。ERPとの違いは、個別の業務を最適化するのか、全体を統合して最適化するのかという点にあり、寄せるべき範囲は業務の変更頻度によって決まります。

システム導入の効果を左右するのは本数ではなく、システムとシステムの間に手作業による入力や照合が残っていないかです。全面刷新でなくても、APIなどのデータ連携によってこの作業を埋めることはできます。まずは自社のシステムを棚卸しし、どこでデータが止まり、誰が次のシステムへ渡しているかを確認するところから始めてみてください。

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09

ClimberCloudとは

ClimberCloudとは

バックオフィス※業務のデジタル変革(DX)を支援する、
電子帳簿保存法完全対応の
クラウド型
Web請求/電子帳簿保管サービス

ClimberCloud

※バックオフィス業務とは経理や総務、人事、法務、財務などといった直接顧客と対峙することの無い社内向け業務全般を行う職種や業務のこと

ClimberCloudが提供するサービス

ClimberCloudは、3つのサービスでバックオフィス業務のデジタル変革を支援します。

01.Web請求サービス (書類送付)

~ 請求書などのClimberCloud上に保存された書類を、取引先へメール送信が可能
~ ワークフローや自動連携オプションの利用により自動送付も可能

Web請求サービス(書類送付)
Web請求機能について

02.データ保管サービス(電帳法対応)[ 自社による保存機能 ]

~ 会計帳簿、決算関係書類、取引関係書類(自・他社発行)などの電子保存が可能
~ 各電子帳簿保存法の要件を充足

データ保存サービス(電子帳簿保存法対応)[ 自社による保存機能
 ]
電子データ・電子取引対応保存機能について

03.データ保管サービス(電帳法対応)[ 他社による保存機能 ]

~ 受領用URLを発行し、取引先が当該URLに書類を格納
~ 相手の利用サービスなどに依存せず書類の一元管理が可能
~ URL発行は取引先あたり初回のみのため、運用も簡単

データ保存サービス(電子帳簿保存法対応)[ Web受領サービス(書
類受領) ]
電子データ・電子取引対応保存機能について

導入企業様におけるClimberCloudの利用メリット

01
ClimberCloud一つで実現可能!
  • 1.

    インボイス制度&電子帳簿保存法対応した書類の電子保存
  • 2.

    Web請求・Web受領
02
ClimberCloud一つで
各種JIIMA認証取得済
法要件に対応した
電子書類データの一元管理が可能
03
少額から始められる
無駄のない従量課金制
04
API・自動登録
ツールでデータ連携が
スムーズ!
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トライアル期間あり
無料でお試し!
ClimberCloudで電子保管が可能な帳票
ClimberCloudなら請求書などのあらゆる書類をインボイス制度・改正電子帳簿保存法>に両対応した電子データとして保存・一元管理ができるニャ!

ClimberCloudで電子保管が可能な帳票

国税関係帳簿書類は原則紙保存ですが、電子データ保存を認める特例として電子帳簿保存法が存在します。
ClimberCloudは全ての電子帳簿保存法条項に対応した帳簿・書類の電子保管が可能です。

自己が発行した書類の写し
・請求書控
・見積書控
・各種契約書
・領収書控
・注文書控
・その他準ずる書類
相手方から受領した書類
・請求書
・見積書
・各種契約書
・領収書
・注文書
・その他準ずる書類
該当条項
4条第2項
作成データを保存(書類申請)
4条第3項
紙のスキャンデータを保存
(スキャナ保存申請)
JIIMA認証
電子取引ソフト法的要件認証 スキャナ保存ソフト
電子取引
電子取引
国税関係書類以外の書類
・Web請求書
・FAX※PDF
・メール添付
・電子契約
該当条項
7条(義務)
授受したデータを保存
JIIMA認証
電子取引ソフト
帳簿・書類を電子保管する場合は、該当条項の様式を満たした保存が必要だニャ!*ClimberCloudは各種JIIMA認証取得済みだから、 フクザツな要件もまるっと対応できるんだニャ!各条項の要件を満たしているという証明が JIIMA認証なんだニャ~

*電子取引により授受した書類は電子での保存が2022年1月より義務化

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この記事を書いた人

赤峯豪
BtoB専門ライター。通信事業会社・大手IT企業で16年間、BPR(業務プロセス改革)や予算管理業務に携わる。在職中に独学で簿記2級を取得。DX・RPAを含むオペレーション改善を幅広く企画・実行。その後、売上高1,300億円規模の経営企画・予算管理業務に従事。ライター転身後は、BtoB向け記事、ホワイトペーパー、LPの執筆・制作を中心に手がけている。
監修
田中雅人(ITコンサルタント)

ソフトウェアメーカー取締役、IT上場企業の取締役を経て、現在、合同会社アンプラグド代表。これまでに、Webサイト制作、大規模システム開発、ECサイト構築、SEM、CRM等のWebマーケティングなど、IT戦略全般のコンサルティングを30年以上実施。現在は、大手上場企業から中小企業まで、IT全般のコンサルティングを行っているかたわらWebマーケティングに関するeラーニングの講師、コラム執筆なども実施。

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